IT導入補助金でホームページ制作は対象?公募要領で確かめた補助の範囲と、契約の順番
公開日

この記事でわかること
- 補助の対象は、IT導入支援事業者が提供し、事務局に登録されたITツールの導入費用です。業務プロセスを持つ登録ソフトウェアを含まずに、会社案内のようなホームページを単体で制作する費用は、この枠組みに入りません
- 公募要領の予約受付台帳の注意点には、顧客側の画面を新しく作る費用はスクラッチ開発として対象外とあります
- 申請はIT導入支援事業者と共同で行います。交付決定前に契約・発注したITツールは対象外です
- 本記事は第1回〜第6回公募向けの公募要領によります。第7回以降は新しい公募要領を確認してください。採択や受給は保証されません
開業したばかりで、ホームページを補助金で作れないか。そう考えて「IT導入補助金」を調べる方もいるでしょう。
この制度は現在、「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」という名称です。中小企業庁も、令和7年度補正予算事業から名称を変えたと案内しています。
この記事では、事務局のサイトと、2026年の通常枠の公募要領(第1回〜第6回公募向け、2026年8月28日改訂)をもとに、ホームページ制作の費用が補助の対象になるかを整理します。採択や受給を保証するものではありません。
結論
IT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)の通常枠では、業務プロセスを持つ登録ソフトウェアを含まずに、会社案内のようなホームページを単体で制作する費用は、補助の枠組みに入りません。
根拠になる公募要領の記載は、次のとおりです。
- 補助対象経費は「IT導入支援事業者が提供し、あらかじめ事務局に登録されたITツールの導入費用」と定められています
- 申請するITツールには、業務プロセス(共P-01〜各業種P-06)を1種類以上持つソフトウェアが必要です。汎用プロセスだけのツールは、単独では申請できません
- 共P-01「顧客対応・販売支援」の予約受付台帳の注意点では、店舗側で予約を管理する機能が対象で、顧客側が利用・予約する画面や機能は該当しません。ただし、両者の機能を切り分けられない場合は、顧客側の機能も対象です
- 同じ注意点に「顧客側画面を新規制作する費用は、スクラッチ開発に該当するため対象外」とあります。スクラッチ開発とは、既製品を使わず一から作る開発のことです
登録ITツールの機能としてホームページ側の画面が含まれるかどうかは、ツールの登録内容によります。導入を考えているツールについては、IT導入支援事業者と事務局に確認してください。
公募要領の版について:この記事の補助率・補助額・要件は、第1回〜第6回公募向けの公募要領によるものです。
事務局は2026年10月9日に「第7次公募回以降における制度変更のお知らせ」を出し、第7回以降向けの公募要領も公開しています。
6次締切(2026年10月30日(金)17:00)より後に申請する場合や、GビズIDプライムをまだ持っておらず6次締切に間に合わない可能性がある場合は、必ず第7回以降向けの公募要領を確認してください。
理由と背景:公式情報で確かめられること
補助の対象は「事務局に登録されたITツール」
公募要領では、ITツールを「IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に登録された」ソフトウェア(AIを含む)・オプション・役務・ハードウェアの総称としています。IT導入支援事業者とは、事務局の審査を経て採択された事業者のことです。
通常枠の補助対象は、次のとおりです。
- ソフトウェア購入費・クラウド利用料:買取形式のほか、月額・年額で料金が決まっている製品も対象で、最大2年分です
- オプション(機能拡張・データ連携ツール・セキュリティ):最大1年分です
- 役務(導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポート):合計200万円が上限です。保守サポートは、ソフトウェアの利用範囲内で最大2年分です
オプションと役務は、ソフトウェアの要件を満たす場合に限り、一緒に申請できます。
補助率は原則1/2以内です。ただし、次の条件に当てはまる場合は2/3以内です。
令和6年10月から令和7年9月までの間で、「当該期間における地域別最低賃金以上〜令和7年度改定の地域別最低賃金未満」で雇用している従業員が全従業員の30%以上である月が3か月以上ある場合です。
この場合は、賃金状況報告シートの提出が追加で必要です。補助額は、1プロセス以上で5万円以上150万円未満、4プロセス以上で150万円以上450万円以下です。
事務局サイトの「ITツール検索」で、採択されたIT導入支援事業者とITツールを調べられます。
補助対象外の経費には、補助金の申請・報告を代わりに行ってもらう費用、消費税、リース・レンタル契約のITツール、中古品、交付決定前に購入したITツールなどがあります。
申請はIT導入支援事業者と共同で行う
この補助金は、IT導入支援事業者と申請者が「共同事業体」となって事務局に申請します。事務局サイトでは、手続きを次の5段階で案内しています。
- STEP01:制度を理解する
- STEP02:GビズIDプライムを取得し、SECURITY ACTIONを宣言する
- STEP03:IT導入支援事業者とITツールを選ぶ
- STEP04:IT導入支援事業者と共同で交付申請をする
- STEP05:交付決定
公募要領では、ITツールを選ぶ段階は「契約ではない」とされています。
GビズIDプライムの発行までの期間は、公募要領ではおおむね2週間とされています。ただし、GビズIDのサイトによると、2026年7月9日から書類申請の審査期間は最大1か月に変わっています。
STEP04では、IT導入支援事業者から「申請マイページ」に招待されます。申請者が基本情報の入力と書類の添付をし、IT導入支援事業者がITツールの情報と事業計画値を入力します。最後に申請者が内容を確認し、宣誓して提出します。
申請マイページのログインIDとパスワードは、IT導入支援事業者を含む第三者に渡してはいけません。
本人が行うべき手続きを他人が行った(なりすまし)と事務局が判断した場合は、交付(申請を含む)の取消しなどが行われる場合があります。
対象者の要件
小規模事業者は、常時使用する従業員が次の人数以下の事業者です。会社役員と個人事業主は、この人数に含みません。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く):5人以下
- 宿泊業・娯楽業:20人以下
- 製造業その他:20人以下
中小企業は、業種ごとの資本金か従業員数のどちらかが基準以下なら対象で、個人事業も含みます。
主な申請要件は次のとおりです。
- GビズIDプライムを取得していること
- SECURITY ACTIONの「★一つ星」または「★★二つ星」を宣言していること
- 事業場内の最低賃金が、地域別最低賃金以上であること
- 3年間の事業計画で、1年後に労働生産性を3%以上向上させ、年平均成長率も3%以上とすること。IT導入補助金2023の通常枠(A・B類型)や、IT導入補助金2024・2025の通常枠など、一部の枠で交付決定を受けた事業者は4%以上です
150万円以上を申請する場合や、IT導入補助金2022〜2025で交付決定を受けた事業者は、賃上げ目標が必須です。未達の場合などは、補助金の返還を求められることがあります。
それ以外の場合、賃上げ目標は加点項目です。保険医療機関・介護サービス事業者など、賃上げ要件の適用外となる事業者もあります。該当しそうな方は、公募要領で確認してください。
個人事業主は、本人確認書類、所得税の納税証明書、税務署が受領した確定申告書の控え、青色申告決算書または収支内訳書が必要です。
確定申告書は令和7年(2025年)分で、やむを得ない事情がある場合は令和6年分も可能です。「代替書類は一切認められない」とされています。
税務署の受領を控えで確認できない場合は、確定申告書第一表の控えと同じ年度の納税証明書(その2所得金額用)を出す方法が示されています。
交付決定の前に契約・発注しない
公募要領には「交付決定前にITツールを契約、発注した場合は補助対象とならない。交付決定後に契約、発注を行うこと」とあります。交付決定前に契約・発注・納品・支払いなどをすると、補助金を受けられません。
交付決定のあとは、最初に契約・発注をします。納品・導入と請求・支払いの順番は問いませんが、支払いの前に必ず請求を受けている必要があります。
実績報告までにすべてのITツールの利用を始めます。補助金は額の確定後、事務局から補助事業者に直接支払われます。支払いが先で、補助金は実績報告のあとです。
順番が決まっている手続き
IT導入支援事業者と共同で交付申請
申請者が最終確認と宣誓をして提出
交付決定
通知を受けるまで契約・発注・支払いをしない
ITツールの契約・発注
すべての手続きの中で最初に行う
納品・導入と請求・支払い
順番は問わないが、支払いの前に必ず請求を受ける
実績報告
それまでにすべてのITツールの利用を始める
補助金の額の確定・交付
事務局から補助事業者に直接支払われる
支払方法は、原則として銀行振込とクレジットカード1回払いだけです。分割払いやリボ払いは認められません。個人事業主は、本人名義のカードを使います。
補助金を受けたあとも、効果報告が数年続きます。1年度目の効果報告期間は2028年4月〜2029年1月です。
自己負担を減らしたり無償にしたりする販売方法(キャッシュバックを含む)は、補助金交付の目的に反する行為として扱われます。
公表されている日程
交付申請の受付は2026年3月30日から始まっています。通常枠の6次締切分は、次のとおりです。
- 締切:2026年10月30日(金)17:00
- 交付決定日:2026年12月10日(木)(予定)
- 事業実施期間:交付決定〜2027年5月31日(月)17:00(予定)
- 事業実績報告期限:2027年5月31日(月)17:00(予定)
7次締切分の日付は出ていません。事務局は確定した回の日程だけを公表し、随時更新するとしています。締切の17:00を過ぎると、理由を問わず受け付けられません。
たとえば、こんな方の場合
ここからは想定ケースです(実在の事例ではありません)。
開業1年目の個人事業主で、整体院を営む方。従業員はいません。「ホームページを補助金で作りたい」と考えています。
この方がホームページだけを作る場合、その費用は補助対象の枠組みに入りません。
予約管理のソフトウェアを登録ITツールとして導入する場合でも、顧客側の予約画面を新しく作る費用は、スクラッチ開発に当たるため対象外です。
2026年に開業して2025年分の確定申告をしていない場合、必要書類の扱いは事務局に確認してください。
ホームページは補助金と切り離して用意し、補助金は予約管理などの業務ツールで検討する。そうした分け方も、選択肢の一つです。
ホームページ単体の制作費をほかの制度で考える場合の整理は、持続化補助金(創業型)でホームページは作れる?をご覧ください。
具体的にやること
- 申請する回に合った公募要領を読む。6次締切より後なら、第7回以降向けの版(2026年10月9日更新)を確認する
- ITツール検索で、業務課題に合う登録ITツールとIT導入支援事業者を探す
- ホームページ側の機能の扱いは、IT導入支援事業者に登録内容を確認する。迷ったら事務局のコールセンターに問い合わせる
- GビズIDプライムを早めに申請する。申請方法は事業区分やマイナンバーカードの保有状況などで異なります
- SECURITY ACTIONを宣言する。宣言済みアカウントIDの発行まで、おおむね2〜3日です
- 個人事業主は、確定申告書の控えなどがそろうかを確かめる
- 交付決定の通知を受けるまで、契約・発注・支払いをしない
- 申請マイページのIDとパスワードは、自分で管理する
申請前の確認リスト
- 導入したいものに、業務プロセスを持つ登録ソフトウェアが含まれるか
- ホームページ側の機能の扱いを、IT導入支援事業者に確認したか
- 申請する回に合った版の公募要領を読んだか
- GビズIDプライムを取得したか、早めに申請したか
- SECURITY ACTIONの★一つ星か★★二つ星を宣言したか
- 必要書類がそろうか(個人事業主は確定申告書の控えなど)
- 交付決定の前に契約・発注・支払いをしていないか
- 申請マイページのIDとパスワードを自分で管理しているか
問い合わせ先は次のとおりです。
- デジタル化・AI導入補助金 事務局コールセンター:0570-666-376(IP電話等からは050-3133-3272)。受付は9時30分〜17時30分(土曜・日曜・祝日、年末年始を除く)です。通話料がかかります。締切の前日と当日は混み合います
- GビズID:0570-023-797。受付は9:00〜17:00(土・日・祝日、年末年始を除く)です
申請の手続きは、申請者本人とIT導入支援事業者が行うものです。不安な場合は、事務局や専門家に相談してください。
WebDev Pro ならどうなるか
私たち WebDev Pro は、創業・開業したての方や小規模事業者の方向けに月額制でホームページを制作しています。ここでは、補助金とは別にホームページを用意する方法としてご紹介します。
当社のプランが補助の対象になることをお約束するものではありません。
- 初期費用は58,000円(税込)です
- 月額は、ライトプラン(1ページ)4,900円、スタンダードプラン(最大10ページ)5,900円、スタンダード+ブログプラン(最大10ページ・ブログ機能付き)6,900円です(いずれも税込)
- 独自ドメインとサーバーの費用は、月額料金に含みます。独自ドメインは当社の名義で取得・管理します
- 月2回までの軽微な文言修正、サーバー管理、セキュリティ更新も月額に含みます
- 最低利用期間は、サイト公開日と契約締結日の遅いほうから1年間です。期間内に解約する場合は、制作費相当額58,800円(税込)がかかります
- 検索順位や売上などの成果をお約束するものではありません
ご相談は無料です。お問い合わせフォームからお送りいただければ、2営業日以内に返信します。
まとめ
- IT導入補助金(現:デジタル化・AI導入補助金)の補助対象は、登録ITツールの導入費用です。業務プロセスを持つ登録ソフトウェアを含まない、ホームページ単体の制作は枠組みに入りません
- 予約受付台帳の注意点には、顧客側画面の新規制作はスクラッチ開発として対象外とあります
- 申請はIT導入支援事業者と共同で行います。交付決定の前に契約・発注・支払いをしないでください
- この記事は第1回〜第6回公募向けの公募要領によります。6次締切より後の申請は第7回以降向けの公募要領を、個別の判断はIT導入支援事業者と事務局に確認してください
- 採択や受給は保証されません
出典・参考
- デジタル化・AI導入補助金2026 事務局ポータルサイト トップ(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 公募要領(通常枠、第1回~第6回公募、2026年8月28日改訂)(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 資料ダウンロード(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 申請の対象となる方(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 新規申請・手続きフロー詳細(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 申請を行う前に必要な手続き(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 ITツール・IT導入支援事業者検索(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール(2026/10/18 確認)
- デジタル化・AI導入補助金2026 お問い合わせ・相談窓口(2026/10/18 確認)
- 中小企業庁 ミラサポplus「デジタル化・AI導入補助金2026の公募要領を公開」(2026/10/18 確認)
- GビズID(2026/10/18 確認)
- WebDev Pro トップページ(2026/10/18 確認)
- WebDev Pro 特定商取引法に基づく表記(2026/10/18 確認)
- WebDev Pro 利用規約(2026/10/18 確認)
株式会社ラクリ WebDev Pro 編集部
東京都足立区の株式会社ラクリが運営する、月額制のホームページ制作サービス「WebDev Pro」の編集部です。創業・開業したての方や小規模事業者の方に役立つ情報をお届けしています。
運営会社: 株式会社ラクリ


