ホームページを買い切りで頼んだら、著作権は誰のもの?文化庁の解説で確かめる契約書の確認点
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この記事でわかること
- 買い切りで代金を払っても、それだけでは著作権は依頼者に移りません。受け取るには、譲渡を定めた契約が必要です
- 著作権は契約で譲渡できますが、著作者人格権(公表権・氏名表示権・同一性保持権)は譲渡できません
- 契約書では、譲渡か利用の許諾か、移る時期、対象の範囲、素材や修正の扱いを確かめてください
- 汎用JPドメイン名(○○.jp)は1年ごとに登録を更新し、登録更新料がかかります。登録者の名義と、費用を誰が払うかを確かめてください
「買い切りなら、代金を払い終えればホームページは自分のもの」と思っていませんか。ただ、代金を払うことと、著作権を得ることは別の話です。
この記事では、文化庁の解説で確かめられる範囲で、著作権が誰に残るのかと、契約書で確かめる点を整理しました。個別の契約の判断は、弁護士・行政書士などの専門家に確認してください。
結論
買い切りで代金を払っても、それだけでは著作権は移らず、原則として依頼を受けて作った側に残ります。著作権を受け取るには、譲渡を定めた契約が必要です。譲渡を受けても著作者人格権は作った側に残るので、何の権利が、いつ、どの範囲で移るかを契約書で確かめてください[1]。
代金を一括で払えば、著作権は自分のものになる?
代金を払うだけでは、なりません。著作権を得るには、譲渡を定めた契約が必要です[1]。
文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」では、著作者は「著作物を創作した者」です。原稿・イラスト・ビデオなどの作成を依頼した場合は、依頼を受けて作成した者が著作者になるとされています[1]。
制作費が支払われていても、依頼者が著作者になるわけではありません。依頼者を著作者とする契約を結んでも、依頼者は著作者になれないと説明されています[1]。
著作権は、作った時点で自動的に発生し、手続きはいりません[3]。また、「著作権」と「所有権」は別の権利です。書籍や絵画を買っても著作権は譲渡されず、譲渡には別途契約が必要とされています[1]。
ホームページの文章・写真・デザイン・プログラムなども、同じ考え方で整理できます。制作会社の社員や外注先が作った部分を誰の権利として扱うかは、契約書で確かめてください。どの部分が著作物にあたるかを含め、判断は専門家に確認してください。
著作権は契約で移せる?移せない権利はある?
著作権は契約で譲渡できます。ただし、著作者人格権は譲渡できません[1]。
文化庁のマニュアルでは、財産的な権利である著作権は譲渡できるとされています。一方、著作者人格権は譲渡できず、譲渡する合意をしても無効です。著作者人格権には、次の3つがあります[1]。
- 公表権:未公表の著作物を無断で公表されない権利
- 氏名表示権:公表するときの著作者名の表示方法を決められる権利
- 同一性保持権:内容や題号を、意に反して改変されない権利
文化庁のよくある質問では、製品の取扱説明書などの著作権を譲り受けた例を説明しています。どのような条件や内容で契約しているのか、何の権利を譲り受けたのかを正しく認識しておくことが大切だ、という内容です[4]。
公開後の修正などと著作者人格権との関係は、契約書の該当条項を専門家に確認してください。
代金と著作権は別
書籍や絵画を買っても著作権は譲渡されません。譲渡には別途契約が必要です
著作権は譲渡できる
財産的な権利である著作権は、契約で譲渡できます
著作者人格権は残る
公表権・氏名表示権・同一性保持権は譲渡できず、譲渡の合意をしても無効です
譲渡を受けたら、登録は必要?
譲渡の効力を生じさせるために、登録は必要ありません。ただ、登録すると、権利の移転を第三者に対抗(主張)できます[4]。
文化庁のよくある質問では、著作権を譲渡した場合に「著作権の移転等の登録」ができるとされています。登録は、移転などの効力を生じさせるためのものではありません[4]。
登録免許税は、相続・合併以外による著作権の移転登録で、著作権1件につき18,000円です[4]。件数の数え方などは、文化庁の「登録の手引き」で確かめてください。
民間業者が行う「著作権の登録」には、著作権法上の効果はありません。文化庁は申請書作成の補助をしておらず、自分で書類を作るのが難しい場合は、行政書士・弁護士への依頼を検討するよう案内しています[4]。
文化庁の問い合わせ先は、文化庁著作権課著作権登録係(電話 03-5253-4111、内線2849)です[3]。訪問による相談は受け付けていません[4]。
書類の不備を防ぐため、申請書を郵送する前に、収入印紙を貼る前の申請書案と添付書類をメール(ctouroku@mext.go.jp)で送り、文化庁の事前確認を受けます。
たとえば、こんな方の場合
※実在の事例ではありません。説明のための想定ケースです。
開業準備中の整体院の方が、買い切りの制作会社から見積書と契約書を受け取りました。「代金を払えばサイトは自分のもの」と考えていましたが、契約書には著作権を譲渡する条項がありません。
この場合は、次の点を制作会社に質問し、回答を書面で残す流れになります。
- 著作権を譲渡するのか、利用を認めるだけか
- 対象の範囲(デザイン・文章・写真・プログラム)
- 外部に作らせた部分があるか
- 公開後に自分や別の会社で修正してよいか
- ドメインの登録者名義と、ドメイン・サーバーの費用を誰がいつ払うか
契約書では何を確かめればいい?
何の権利が、いつ、誰に移るのかが、具体的に書いてあるかを確かめてください。
文化庁のマニュアルでは、契約は原則として合意だけで成立し、契約書は成立の要件ではありません。ただ、口頭では内容が後で不明確になりやすいため、重要な契約は契約書で明確にするのが望ましいとされています[2]。
条項は、誤解が生じないよう具体的に書くことが求められます。目安として5W1H(いつ・どこで・誰が・誰に・何を・どうやって)が挙げられ、書き方は契約の種類によって異なります。「覚書」「確認書」というタイトルでも、それだけで効力は変わりません[2]。
文化庁の解説をもとに、確認点を編集部の提案として整理しました。まず、譲渡か利用の許諾か、移る時期(例:代金の支払い完了時)、対象の範囲を確かめます。
あわせて、外部に作らせた部分の権利を制作会社が持っているかを確かめてください。第三者の写真やフォントなどの素材、公開後の修正・作り変えの可否、著作者人格権の扱い、制作実績として公開するかも確認します。
買い切りの契約書で確かめること(編集部の提案)
- 著作権の譲渡か、利用の許諾にとどまるか
- 移る時期(例:代金の支払い完了時)
- 対象の範囲(デザイン・文章・写真・プログラム)
- 外部に作らせた部分の権利を、制作会社が持っているか
- 第三者の素材(写真・フォントなど)の扱い
- 公開後の修正・作り変えの可否
- 著作者人格権の扱い
- 制作実績として公開するか
文化庁の「著作権契約書作成支援システム」は、一般人どうしの契約を想定しています。制作会社との契約はこの想定と異なり、著作権の譲渡などのひな形も提供されていないため、参考にとどめてください[5]。
IPAの「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)」は、ユーザーとベンダーのどちらにも偏らない契約書作成を目指した資料です。情報システム開発向けで、参照している法令は公表当時の版にもとづきます[6]。
依頼から公開までの流れは、ホームページ制作の依頼、何から始める?で説明しています。
買い切りでも、毎年かかる費用はある?
汎用JPドメイン名(○○.jp)の場合、登録は1年ごとに更新し、登録更新料がかかります[7]。汎用JPドメイン名以外のドメイン(.com など)には、この規則をそのまま当てはめられません。
JPRSの規則では、登録期間は、登録原簿への記載が完了した日の属する月の、翌年同月末日までです。その後は、1年ずつ登録を続けられます[7]。
登録料・登録更新料は、指定事業者(登録を取り次ぐ事業者)を通して納めます。更新の方法や支払い方法は、そのドメインを管理する指定事業者が定めます[7]。
ドメイン名の廃止を届け出たり、第三者との合意に基づいて移転を申請したりできるのは登録者です。登録者名などは登録原簿に記載され、JPRSの定める方法で公開されます[7]。
サーバーの費用を誰が、いつ払うかも、見積書で確かめてください。月額制との費用の比べ方は、ホームページのサブスク(月額制)のデメリットは?で扱っています。
WebDev Pro ならどうなるか
私たち WebDev Pro は、創業・開業したての方や小規模事業者の方向けに月額制でホームページを制作しています。料金は税込で、初期費用58,000円と、月額のライト4,900円/スタンダード5,900円/スタンダード+ブログ6,900円です。
独自ドメインとサーバーの費用は、月額料金に含まれます。お支払いは、クレジットカードなどの決済サービスによる自動課金です。
制作物の著作権は、最低利用期間の満了後、または中途解約金のお支払い完了後に、お客さまへ移転します。制作物は、当社の制作実績として公開することがあります。
最低利用期間は、サイト公開日か契約締結日の遅いほうから1年間です。期間内に解約する場合は、経過した月数にかかわらず58,000円(税込)をお支払いいただきます。お支払いの完了で契約は終了し、以降の月額料金はかかりません。
独自ドメインは、当社の名義で取得・管理します。契約終了時、解約のお申し出と同時にご希望いただければ、次のように対応します。
- ドメインの登録者の変更と、ご指定の事業者への移管手続きに協力します。当社の手数料はかかりません
- 移管先の手数料や、移管後の更新費用などは、お客さまのご負担です
- 未払いの料金がある場合や、規則で移管が制限される期間は、手続きできないことがあります
- 当社が制作したソースコード一式と、お預かりした素材を無償でお渡しします。第三者から利用許諾を受けた素材、サーバーの設定、メール、移行作業は含みません
検索順位や売上などの成果をお約束するものではありません。ご不明な点は、お気軽にお問い合わせください。
まとめ
- 買い切りで代金を払っても、著作権は原則として依頼を受けて作った側に残ります。受け取るには、譲渡を定めた契約が必要です
- 著作権を譲り受けても、著作者人格権は作った側に残ります。譲渡の効力は登録で生じるものではありません
- 契約書では、何の権利が、いつ、どの範囲で移るかを確かめてください。外部に作らせた部分・素材・修正・実績公開の扱いも確かめます
- 汎用JPドメイン名(○○.jp)は1年ごとの更新です。登録者の名義と、ドメイン・サーバーの費用を誰が払うかを確かめ、個別の判断は専門家に相談してください
出典・参考
- 文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」第1章1.(1)(2026/10/23 確認)
- 文化庁「誰でもできる著作権契約マニュアル」第1章2.(2)(2026/10/23 確認)
- 文化庁「著作権の登録手続き」(2026/10/23 確認)
- 文化庁「著作権に関する登録制度についてよくある質問」(2026/10/23 確認)
- 文化庁「著作権契約書作成支援システム」(2026/10/23 確認)
- IPA「情報システム・モデル取引・契約書(第二版)」(2026/10/23 確認)
- JPRS「汎用JPドメイン名登録等に関する規則」(2026/10/23 確認)
- WebDev Pro トップページ(2026/10/23 確認)
- WebDev Pro 特定商取引法に基づく表記(2026/10/23 確認)
- WebDev Pro 利用規約(2026/10/23 確認)
株式会社ラクリ WebDev Pro 編集部
東京都足立区の株式会社ラクリが運営する、月額制のホームページ制作サービス「WebDev Pro」の編集部です。創業・開業したての方や小規模事業者の方に役立つ情報をお届けしています。
運営会社: 株式会社ラクリ


