ホームページ制作費の勘定科目は?個人事業主・小規模法人の経理処理を国税庁の情報で整理
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この記事でわかること
- 今回確認した国税庁などの資料では、ホームページ制作費の勘定科目や耐用年数を直接示す記載を確認できませんでした
- 処理は金額だけでは決まりません。資産に当たるか、取得価額、取得日と使い始めた日、申告の区分、どの制度を選ぶかと手続きで変わります
- 令和8年4月1日以後に取得したものは、一定の要件を満たす青色申告の個人や、中小企業者等の法人なら、40万円未満まで特例の対象になり得ます。青色申告というだけでは要件を満たすとは限りません
- 契約書と請求書を持って、税理士か税務署に確認してください
ホームページの制作を頼んだあと、決算や確定申告の前に「これは何費?」「一度に経費にできる?」と迷う方は多いと思います。
この記事では、国税庁などの公式情報をもとに、ホームページの制作費と月額費用の経理処理を整理しました。WebDev Pro も月額制の制作サービスを運営しているため、断定は避け、公式情報で確認できた範囲だけを書きます。
結論
- 今回確認した国税庁などの資料では、ホームページ制作費の勘定科目・資産の区分・耐用年数を直接示す記載を確認できませんでした。 この記事では科目名を断定しません
- 処理は金額だけでは決まりません。資産(減価償却資産)に当たるか、取得価額、取得日と使い始めた日、申告の区分、どの制度を選ぶかと手続きで変わります
- 資産に当たる場合の大まかな区分は次のとおりです(それぞれ要件があります)
- 10万円未満:使い始めた年(事業年度)に全額を経費にします
- 20万円未満:3年で均等に経費にすることを選べます
- 40万円未満:要件を満たせば、使い始めた年(事業年度)に全額を経費にできます(令和8年4月1日以後の取得)
理由と背景(国税庁の情報から)
減価償却とは
業務に使う資産のうち、時がたつと価値が減るものを減価償却資産といいます。取得にかかった金額は、原則として使える期間(法定耐用年数)に分けて経費にします。これを減価償却といいます。
金額は「何を1単位とするか」で変わる
法人について国税庁は、10万円未満かどうかを「通常1単位として取引される単位ごと」に判定するとしています。たとえば応接セットは、テーブルと椅子の1組で判定します。
また法人のソフトウエアでは、導入の設定作業や、自社の仕様に合わせる付随的な修正作業の費用も、取得価額(資産として計上する金額)に含めます。
ホームページで何を1単位とし、どの費用を含めるかは、今回の資料では確認できませんでした。初期費用・月額・オプションの扱いは、契約内容を見て判断が必要です。
金額による区分(少額の資産)
表の「損金」は、法人税の計算で費用として扱われる金額です。「損金経理」は、決算で費用として処理することです。
| 区分 | 個人事業主(所得税) | 法人(法人税) |
|---|---|---|
| 10万円未満、または使える期間が1年未満 | 使い始めた年に全額を必要経費にします | 使い始めた事業年度に全額を損金経理すれば、損金になります |
| 20万円未満(一括償却資産) | 10万円以上20万円未満のものは、3年間で3分の1ずつ必要経費にできます | 3年間で償却することを選べます |
| 40万円未満の特例 | 一定の要件を満たす青色申告者が対象。合計300万円まで | 青色申告をする中小企業者等が対象。事業年度で合計300万円まで |
40万円未満の特例の補足です。
- 平成18年4月1日〜令和11年3月31日に取得(法人は取得など)し、事業に使ったものが対象です
- **令和8年3月31日までに取得したものは「30万円未満」**が条件です。令和6年分の手引きなどは30万円と書いているので、取得日に注意してください
- 個人:国税庁は対象を「一定の要件を満たす青色申告者」としています。令和6年分の青色申告の決算の手引きでは「一定の中小事業者に該当する青色申告者」です。「一定の中小事業者」に当たるかの具体的な判定要件は、今回確認した資料だけでは分かりませんでした。確認が必要です
- 法人:中小企業者(基本的に資本金1億円以下)などで、青色申告をしている法人が対象です。常時使用する従業員の数は、令和8年4月1日以後に取得などをした資産なら原則400人以下です。それより前は500人以下でした。特定法人(資本金1億円超の法人など)は300人以下です。このほか、対象から除かれる法人もあります
- 法人で事業年度が1年未満なら、上限は「300万円÷12×その事業年度の月数」です。1か月未満の端数は1か月に数えます
- 10万円未満の扱いや、一括償却資産を使うものには、この特例は使えません
消費税を含めて判定するか(個人)
個人事業主は、税込経理なら税込の金額、税抜経理なら税抜の金額で判定します。免税事業者は税込経理です。法人の判定方法は、今回の資料では確認できていません。
数年に分けて経費にする場合
法人について国税庁は、ソフトウエアを無形の減価償却資産とし、耐用年数を5年(複写して販売する原本・研究開発用は3年)としています。法人の40万円未満の特例も、ソフトウエアなどの無形の資産を対象に含めています。
ただし、ホームページがソフトウエアに当たるかは、今回の資料では確認できません。 個人に同じ扱いが当てはまるかも確認が必要です。
法人が注意したい点
10万円未満などの少額の減価償却資産は、使い始めた事業年度に全額を損金経理した場合に損金になります。いったん資産に計上したものを、あとの事業年度でまとめて損金経理しても損金になりません。 40万円未満の特例も、使い始めた事業年度の損金経理が要件です。
月額費用と改修費の考え方(個人)
月額料金の勘定科目を示す記載は、今回の資料では確認できませんでした。参考として、令和6年分の青色申告の決算の手引きには次の説明があります。現在も同じか、ホームページに当てはまるかは確認が必要です。
- 前払経費:翌年以後の期間の分は、今年の必要経費になりません。ただし、今年払った金額が1年以内の期間の分なら、今年の必要経費にしてもよいとされています
- 資本的支出(資産の価値を高めたり、使える期間を延ばしたりする支出):原則として資産を取得したものとみなして減価償却します。ただし、一つの計画による修理・改良で、同じ資産に本年中にかけた金額が20万円未満なら、必要経費にしてもよいとされています
たとえば、こんな方の場合
ここからは想定ケースです(実在の事例ではありません)。金額は説明用の仮の数字です。
ケース1:買い切りで頼んだ個人事業主
開業1年目の個人事業主です。青色申告をしている免税事業者で、制作会社に買い切りでホームページを頼みました。見積もりは税込35万円です。
- 資産に当たるか、何を1単位とし、どの費用を取得価額に含めるかを確認します
- 免税事業者は税込経理なので、税込の金額で判定します
- 取得日が令和8年4月1日〜令和11年3月31日なら「40万円未満」、平成18年4月1日〜令和8年3月31日なら「30万円未満」で判定します
- 青色申告をしているだけでは、特例の「一定の要件」を満たすとは限りません。要件を確認します
- 特例を使うなら、青色申告決算書の「減価償却費の計算」の「摘要」欄に「措法28の2」と書きます
ケース2:月額制サービスを使う、設立したばかりの法人
設立したばかりの小規模法人で、最初の事業年度は1年未満です。月額制のサービス(WebDev Pro のスタンダードを例にします)を使い、初期費用は58,000円、月額は5,900円です(いずれも税込)。
- 初期費用を資産の取得と見るか、サービスの料金と見るかを示す資料は、今回確認できませんでした。初期費用の金額だけで区分は決めません
- 資産に当たるとしても、何を1単位とし、どの費用を取得価額に含めるかを先に確認します
- 少額の減価償却資産に当たり、その事業年度に全額を損金にしたい場合は、使い始めた事業年度に全額を損金経理します。あとの事業年度にまとめて損金経理することはできません
- 40万円未満の特例を使うなら、300万円の上限を事業年度の月数で按分します
- 最初の決算の前に、契約書と利用規約の全体を税理士に見せて相談します
具体的にやること
- 契約書・見積書・請求書をそろえてください。初期費用・月額・オプションを分けて確認できるようにします
- 何を1単位の資産とし、どの費用を取得価額に含めるかを、税理士に確認してください
- 自分の経理方式(税込・税抜)を確認してください
- 「取得日」と「事業に使い始めた日」を分けて記録してください。取得日は30万円・40万円のどちらで判定するかに、使い始めた日は経費にする年・事業年度に関わります。何をもって事業に使い始めたとするかは、公開日などの記録を見せて、税理士か税務署に確認してください
- 法人は、最初の事業年度が1年未満か確認してください
- 個人は、償却方法を届け出るか確認してください。新たに業務を始めた場合は、翌年3月15日までに所轄の税務署長に届け出ます。届け出ないと法定の方法(一般的には定額法)になります
- 特例を使う場合は手続きを確認してください。個人は「摘要」欄に「措法28の2」と書きます。法人は使い始めた事業年度に損金経理し、別表16(7)を付けて申告します
- 最初の申告・決算の前に、税理士か税務署に相談してください
電話で相談するとき:中小企業庁は、少額減価償却資産の特例の相談先として、税理士か、各国税局の電話相談センター(0570-00-5901、国税相談専用ダイヤル)を案内しています。
WebDev Pro ならどうなるか
WebDev Pro は、株式会社ラクリが運営する月額制のホームページ制作サービスです(2026年10月時点)。
- 初期費用58,000円(税込)は、サイト公開時のお支払いです。月額はライト4,900円、スタンダード5,900円、スタンダード+ブログ6,900円(いずれも税込)で、サイト公開月から発生します。お支払いはクレジットカード決済です
- 月額には、独自ドメインとサーバーの費用、月2回までの軽微な文言修正、サーバー管理、セキュリティ更新が含まれます。ページの追加などは別途見積もりです
- 最低利用期間は、サイト公開日か契約締結日の遅いほうから1年間です。期間内の解約には、経過月数にかかわらず58,000円(税込)がかかります
経理処理は、利用規約と請求書を持って税理士か税務署に確認してください。解約時の条件はホームページのサブスク(月額制)のデメリットは?、見積もりの内訳はホームページ制作の費用相場はいくら?で説明しています。補助金は持続化補助金(創業型)の記事をご覧ください。
まとめ
- 今回確認した国税庁などの資料では、ホームページ制作費の勘定科目を直接示す記載を確認できませんでした
- 処理は、資産に当たるか、取得価額、取得日と使い始めた日、申告の区分、どの制度を選ぶかと手続きで変わります
- 資産に当たる場合の区分は、10万円未満/20万円未満/40万円未満(令和8年4月1日以後の取得、要件あり)です
- 個人は、経理方式で消費税を含めるかが変わります。免税事業者は税込です
- 法人は、少額の資産を使い始めた事業年度に損金経理しないと、あとからまとめて損金にできません
- この記事は2026年10月9日に国税庁などの資料を確認して書いています。契約書を持って、税理士か税務署に確認してください
出典・参考
- 国税庁 タックスアンサー No.2100「減価償却のあらまし」(令和8年4月1日現在法令等)(2026/10/09 確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5461「ソフトウエアの取得価額と耐用年数」(令和8年4月1日現在法令等)(2026/10/09 確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5408「中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例」(令和8年4月1日現在法令等)(2026/10/09 確認)
- 国税庁 タックスアンサー No.5403「少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示」(令和8年4月1日現在法令等)(2026/10/09 確認)
- 国税庁「令和6年分 青色申告の決算の手引き(一般用)」(2026/10/09 確認)
- 中小企業庁「少額減価償却資産の特例」(2026/10/09 確認)
株式会社ラクリ WebDev Pro 編集部
東京都足立区の株式会社ラクリが運営する、月額制のホームページ制作サービス「WebDev Pro」の編集部です。創業・開業したての方や小規模事業者の方に役立つ情報をお届けしています。
運営会社: 株式会社ラクリ


